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【Chapter3】熱想冷足
最後に彼と会ってから、かれこれもう3週間。
彼が私の肌に触れたがっているのは文面から伝わってきていた。
それも強烈に…。
わかっていてもなお、私は執筆に集中したかった。
己から湧き上がってくる感情やエネルギーを、そのまま自分の中に留めておくことが難しかったのだ。
来る日も来る日も、爪先のネイルがボロボロになるまでキーボードをたたき続けた。
日によっては18時間。
一日15時間向き合うことなどザラであった。
背中も腰も疲労でガチガチになった日には、彼の腕に抱かれて眠りたいと思わないわけではなかった。
だが、一度甘えてしまったら、そこから抜け出せないような気がしていたのだ。
私は、彼の香りを懐かしく思い出しながら、冷える足を毛布に擦り付け眠りについた。
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