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【Chapter6】打ち消す想い
「食欲ないね。」
お皿には、まだステーキとライスが残されていた。
お腹が空いていると思っていたが、疲れ切った身体が食物を受け入れない。
いや、他にも原因があるのかもしれない…そう思いかけて私は頭を振った。
先程の彼の言葉を思い出せば思い出すほど自分が老けていくような気がしたからだ。
「そうね。思ったよりも食べられなかった。疲れているのかな…。」
そう言うと、彼はさして気にも止めない様子で
「部屋に戻ったらゆっくりすれば良いよ。」
と、笑顔で告げた。
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