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翌朝、二人で寝坊し、仕事をずる休みした。 そのまま二度寝し、昼過ぎに起きてからも、布団の中でダラダラと過ごしている。 「繁忙期にずる休みなんて初めて。」 「明日が怖い。」 「本当だね。」 鈴音さんが笑う。 「週末、休めそう?」 俺が聞くと、うーん、と唸る。 「今日も休んじゃったし、どっちかは出なきゃかな。でも、今月乗りきれば落ち着くから。」 「俺も。じゃ、来月、おかみさんたちに挨拶に行こう。」 鈴音さんのご両親は、すでに他界されている。おかみさんたちが親代わりなのだ。 「もう?」 「鈴音さんの気が変わらないうちに、外堀を埋めておきたい。」 「変わらないよ。」 鈴音さんが俺にキスをする。
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