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バスのけたたましいチャイムで目を覚ますと、既にスモークタウンのバス停に到着していた。ルーナは本の表紙を見ながらすっかり寝込んでしまっていた。顎まで垂れたよだれを袖で拭き、本をしっかりと鞄に仕舞うと、彼女はよろけながら出口へと向かった。ポケットから硬貨を取り出し運転手に投げると、運転手は器用に片手でそれをキャッチする。
バスを降り、澄んだ空気の味を鼻で確かめると、ルーナはバス停にひとつだけ設置された時計台を確認した。時刻はちょうど七時。シオンとの約束の時間まであと一時間。ルーナは大きく伸びをして、凝り固まった筋肉をほぐした。そして大きなため息を吐き、空に浮かぶ半月を眺めながら帰路についた。
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