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「イエス!イエス!フー!!ナイスシュート!ナイスパス、トム!!」
今度は遠慮なく、喜びを全開にして叫ぶ。突然、背後で声がした。
「さすが俺の子だ」
低く響く、心地よい声。振り返ると、最愛の人がトムを見つめていた。そしてノアに視線を移す。
「僕たちの子、でしょ」
ノアがなじると、ジェイはウインクで返した。
「遅かったね」
ジェイの腕に手をかけ、少し伸びあがって頬にキスする。
「ああ、でも決定的瞬間に間に合ってよかった」
これでピースは揃った。何もかも完璧な日曜日。
試合は、相変わらず団子の移動が主だったが、それでも両者ともに何点かを入れ、3-2でトムのチームが見事勝利した。
結局最初から最後まで、一番熱心な声援を送っていたノアは有終の美を飾るべく、大はしゃぎする。その横で、ジェイは穏やかに微笑んでいた。
試合を終えたトムが、二人の元に走って来る。ノアは両手を広げ、トムを強く抱き締める。「見てた?ぼく、やったよ!シュートはできなかったけど、結構活躍したよね?」
「大活躍だよ!」ノアはキスの嵐で答える。そしてトムに囁いた。
「いっちばんかっこよかった」
「いっちばん?」
「うん!」
トムの顔がぱあっと明るくなる。
「ほんと?パパもそう思った?」ジェイの顔を見上げる。
ジェイはトムを抱き上げ、顔と顔を突き合わせる。
「ああ。見事なアシストだった。さすが俺たちの子だ」
「その通り!」ノアが二人の肩に手をかけ、頬に交互にキスする。
「今日はごちそう?」
「もちろんだとも。何がいい?」
「ステーキ!」
「ようし」
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