0 うそつきの独白

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0 うそつきの独白

嘘だ。 嘘ばっかりだ。 自分自身がよくわかっている。 「ありがとう」だなんて、嘘だって。 本心から言えたのだったら、どんなによかっただろう。 そうじゃない。違うんだとわかっていることが、ただ、哀しい。 でも、言ってしまった。伝えてしまった。 自分の本心だとして。 本心であったらよかった言葉を。 胸に渦巻く感情とは、正反対の、感謝の言葉を。 もう、取り消しはできない。 三人の関係は、以前のままではいられなくなってしまった。 だから、嘘を、本当にしていかなければならない。 裏腹な言葉のとおりに振舞って、自分自身を塗り替えて、 始めからそれが本心であったようにならなければいけない。 それが、嘘をついた者の進むべき道だ。 大切な仲間と、そして自分を欺いた、嘘つきの末路だ。
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