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「普通の人間は、波動が大きくなったり、小さくなったりするんだ」
「波動って言うくらいだからね」
「あぁ。でもアリスの波動は波動じゃない……というか、波の大きさが一定なんだ」
ジールはまじまじとアリスティアを見つめる。
なんだか照れてしまうな、とアリスティアは思いながらもじっとジールを見つめている。
「今もさ、俺が見つめてもアリスの波動は変わらない。感情の起伏が無いわけでも、空っぽなわけでもない」
「どういうこと?」
「アリスの波動は彼方者と一緒の波動なんだ」
「……死者ってこと!?」
「いや、死者って意味の"彼方者"じゃなくて、別世界の者って意味の方」
ジールの言葉にアリスティアの背筋は凍る。
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