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自分はなんと素晴らしい名案をひねり出したことか!ジャスティンは自画自賛した。
この世界の住人は、平均寿命が七百歳ほどと他の世界と比べて極めて長いことでも知られている。百歳で成人、老人と呼ばれる外見になるのが大よそ五百歳。異世界・地球からジャスティンが次々とエンジニアたちを呼び寄せた時、ジャスティンはまだ百歳ちょっとの若者であった。その後ジャスティンが五百歳になるまでの間に、エンジニアたちの手によって高い科学技術が次々と持ち込まれ、この世界のエンジニアたちに伝えられ、高い水準の科学文明が花開いたことは言うまでもない。
ただ、異世界から呼び出された地球人たちの多くは、“これから大事な研究発表会があったのに!”“家族旅行の最中だったのに!”“身内の葬式があったのに”などと言ってすぐに家に帰してくれるように要求してくるのが問題だった。せっかく手間暇かけて異世界転移させてきたのに、何もしないですぐに帰られてしまうなど論外である。あまり手荒なことをしたくはなかったので、彼らには“この世界に自分達が持っている技術を伝えて、こちらが使いこなせるようになったら帰してやる”と約束してやった。異世界転移してきたエンジニアたちは、死にもの狂いで自分達の技術をこの世界の技術者たちに伝え、文明開花に協力するようになったのである。
――私はやはり素晴らしい王だ。最初からこうすれば良かった。異世界が我々より優れた技術を持っているというのなら、全て異世界の者達から盗んでくればいいだけのこと!彼らの技術を真似るのが早道だというのに、何故歴代の王はしなかったのか!
この世界に、電話なるものができた。
やがてそれが携帯電話となり、スマートフォンとなった。
コンピューターというものも作られた。今までどれほど綿密に計算したつもりでもどこかにズレが生じていた建築工事などは、限りなく安全に、正確に行えるようになる。
ラジオやテレビなども、魔法が生まれつき使えない人間にも使えるような“魔法障害者”にも使える科学技術のシロモノが増えた。
魔法が得意な者は魔法の商品を。
科学が得意な物は科学の商品を。
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