亜由子ありがとう

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初給料の日、私はそのお金で亜由子の好きだったケーキを2個買い求めて帰宅しました。 亜由子の大好きなケーキは和栗のペーストがシャワーのようにふんだんにかかったモンブランです。 「陰膳ならぬ陰スイーツだけどな」 私は亜由子の遺影に笑いながらポツリと言いました。 私は亜由子がいた時はスイーツなど食べたいと思ったことはなかったのに、いなくなったら食べたくなったんだから不思議です。 きっと亜由子は 「わたしのいたときに一緒に食べてくれれば良かったのに」とふくれているかも知れません。 「まーそう言うなって。これからは一緒に食べるからさ」 もう亜由子の言いそうな言葉に対してその言い訳を言う習慣がついていました。 笑っている亜由子が見えるようです。
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