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その日は朝から強烈な日差しが照りつけていました。
自然と空きダンボールの種類も飲み物系やアイス類のものが増えいるのがわかりました。
やっとパッカー車に詰め終えて運転席に乗り込んだ時でした。
スーパーの事務所から女の人が走って来るのが見えたのです。
なんだろう?と発車せずに待っていると
「中村さん、いつもご苦労様です。今日は暑いですよね。これどうぞ!」
彼女の手からペットボトルのスポーツドリンクが差し出されました。
思ってもみなかったサプライズにびっくりするやら嬉しいやら……。
キンキンに冷えているそのスポーツドリンクの冷たさに反比例して私の心は一瞬にして温かくなっていくのがわかりました。
「あ、あ、ありがとうございます。遠慮なく頂きます」
私がそう言うと、彼女はニコッとして事務所に戻って行きました。
その時、亜由子が宅配便の人たちにコーヒーなどを手渡していた事を思い出して、あっ、こういうことなんだ!と理解したのです。
亜由子が子どものことを思って振りまいていた幸せの"情け"は今こうして私に巡ってきたように思えて、思わず「亜由子、ありがとう……頂いたよ」と涙が滲んで来ました。
さあ、もうひと頑張りするか……私はしあわせな気持ちで車を発車しました。
おわり
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