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森田さんが契約社員になるまで。
森田さんは34歳になります。男性です。奥さんがいて、6歳の娘と1歳の息子がいます。
森田さんは、32歳まで生命保険会社の正社員で、営業をしていました。森田さんは内気な性格で、プッシュのある営業はできません。だから成績は良くありませんでした。
上司はあまり「数字、数字」と追い詰めてはきませんでしたが、森田さんは真面目な性格で、毎月目標を達成しない自分を、自身で追い詰めていきました。
森田さんが32歳になったそのとき、何かがプツンと切れました。
「もうダメだ」
森田さんは、鬱状態におちいり、休職し、そのまま退職しました。
とは言っても、専業主婦の奥さんと子ども二人の生活があります。しばらくはなけなしの貯金と失業保険に頼りながら生活していましたが、いつ無くなるかわかりません。
森田さんは転職活動をしました。営業はもう駄目だと感じていましたので、不動産会社の経理職に応募して正社員として採用されました。しかし、女性事務員のいじめにあい、1週間で退社しました。
そこからは、電気工事会社の経理職や警備員を、正社員として転々としましたが、1日で退社しました。
正社員というと、聞こえは良いですが、責任が重いという側面があります。森田さんはそのプレッシャーに耐えれませんでした。
自分に合った働き方はないか…そう悩みつつ、生命保険会社を辞めてから2年の月日が経っていました。
その間、何度も死のうと思いました。死んだら生命保険金がでるし、遺族年金もでる。一度は本当に自殺未遂もしました。でも死ねませんでした。
そんな中、森田さんは精神障害者保健福祉手帳を取得します。障害者枠で働ければ、心の負担を減らしながら働けるのではと思ったからです。
それでも、中々、就職活動は上手くいかず、不採用が続きました。
ある日、障害者を対象とした合同就職説明会でアイ株式会社という不動産事業の会社と出会います。
正直、給与は一家が食べていけるものではありませんでした。そして契約社員。でも無職でいるよりはと思い、なんとなく応募しました。
すると、話がとんとん拍子に進み、採用に至りました。
他に選択肢のない森田さんは、腰掛けのつもりで入社します。
これは、そんな契約社員の森田さんの徒然日記です。
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