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地下室に向かう階段は狭くて暗くて、何度か階段を踏み外しそうになった。
そして、地下室に入るための扉までたどり着いた。硬くて重そうな扉には、鍵がかかっていた。
「鍵がかかってるよ。残念。」
「待って。私のヘアピンで開けられるかも」
鍵穴をしばらくヘアピンでカチャカチャしていると、ガチャン!という音がした。鍵が空いたのだ。
中は案外狭く、寒くて、電気をつけても薄暗かった。テーブルと椅子が一つずつ置いてあって、そのテーブルの上には沢山の紙が散らばっていた。
「なーんだ。お宝とか見られると思ったのに、拍子抜けしちゃった。」
「机の上の紙がお宝なのかも。見てみよう。」
紙に書かれているのは、右肩上がりのグラフと日記のような文だった。
『彼女達の症状はここに来てから随分と安定している。やはり、家族のような形の治療をした事が功を成したようだ。』
「何これ?」
もう1枚の紙も見てみると、上がり下がりの激しいグラフと文が書かれていた。
『彼女達の症状が悪くなり始めた。特に夜に悪くなる。私の助手は、恐怖で気が狂いそうだと言っている。どう治療すれば良いのだろうか。』
「これって私達のこと?私達は病気なの?」
「そうなのかも。パパが帰ってきたら話してみよう。」
そうして私達はパパが帰るのを待った。
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