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伝説の男!黒崎天斗(くろさきたかと)
「おい、お前あの伝説のヤンキー黒崎天斗と同姓同名なんだってな!」
そう言われ続けてその言葉は聞き飽きていた。
むしろこの名前を付けてくれた親を死ぬほど恨んだこともあった…
俺の住んでいる県ではあまりにも有名な超喧嘩の強いヤンキーが俺と同姓同名でしかも同級生ということもありよく間違われた。
最大の特徴として俺の目の上の傷は偶然過ぎるほど偶然にもその伝説のヤンキーと同じ右側にあった。
しかし俺の目の上の傷は喧嘩で付けられたようなカッコいいものではなく、幼い頃に姉に後ろから背中を押されテーブルの角にぶつけて出来ただけの実にカッコ悪い傷だった。
俺の県では彼の顔は有名で知らない者は居なかった。
それでも噂を聞きつけ俺の下へ殴り込みに来る強面ヤンキーはあとを絶たなかった。
俺は喧嘩で人を殴ったこともなく喧嘩に関してはド素人だった。
だから殴り込みに来られる度に俺は土下座して彼等に丁重にお引き取り願った。
ある日母から…
母『天斗~、お父さん会社の人事で隣の県に転勤になっちゃったんだって…あんた申し訳無いんだけど高校は転校になっちゃうんだけど大丈夫かい?』
この言葉を聞いた俺はあまりの嬉しさに思わず…
俺『ヨッッッシャア~ーーーー!』
大声で歓喜してしまった。
母『なんだい?そんなに大喜びして…あたしゃてっきり駄々こねてくるのかと構えてたのに…』
母さん母さん母さん母さん母さん!
これが喜ばずにいられっかっての!
やっとこの呪いから解放されるんだぜ?
やっと俺のことを誰も知らない所に行けるんだぜ?
俺は!やっと!解放されるぞぉ~ーーーー!
そして俺は転校する日を待ち望んだ…
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