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銃撃
酷い雨が降っている。
これだけの雨では、もはや傘も役に立たない。
一応、傘をさしてはいるが。
「すいません。ちょっといいですか?」
後ろからそう声をかけられた。
男のものの様だった。
振り返る間もなく、男は俺に銃口を向けていた。
パーン。
何とも言えない音がした。
クラッカーにも似た、、大きな音。
ーー銃声だ。
それと分かるまでに数十秒の時間を要した。
腹部から熱いものが流れ出しているのを感じるのと、ほぼ同時に俺は倒れ込んだ。
「ーーお前なんて死んじまえ!!」
無抵抗な俺に、ソイツはまた銃口を向ける。
声も出ないで苦しみ、もがいていた。
更に俺の頭を通過した弾丸。
銃声は二度轟いた。
「ーー俺、もう死ぬんだな、、」
意識が遠退いていく。
彼はそのまま気を失ってしまったようだ。
銃を持ったままの犯人は、何事もなかったかのように歩いて逃げていった。
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