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出会い
大きいお姉ちゃんが会社の後輩を家に連れて来た。見た目の爽やかな青年で小さいお姉ちゃんが一目惚れした。
その時、小さいお姉ちゃんは社会人成り立て。静香は大学生。
小さいお姉ちゃんは、こそこそと、
「姉さん彼 カッコいい。お願い。私に紹介して?」
大きいお姉ちゃんは呆れた顔をして、
「何言ってるの。あんたには彼氏がいるでしょ?」
小さいお姉ちゃんは少し焦りながら、
「あれは違うわ。ただのボーイフレンド」
大きいお姉ちゃんは疑い深そうな眼差しで、
「そうは見えなかったけど?」
小さいお姉ちゃんは、大きいお姉ちゃんの後輩に勝手に自己紹介を始めた。
行動力のある小さいお姉ちゃんを静香は羨ましく思っていた。
大きいお姉ちゃんと小さいお姉ちゃんは美人だ。
大きいお姉ちゃんは、手足が長くスレンダーでサラサラロングヘアが似合っている。
一方、小さいお姉ちゃんは、色白で線が細く可愛らしい小動物のよう。
静香は二人を羨ましく思いながら姉達の陰に隠れるように生きていた。
二人に憧れを抱き、二人の幸せの為なら、自己犠牲になることを厭わないと思っていた。
例え、初めて大きいお姉ちゃんの後輩を見て、静香も素敵な人だなと思ったとしても。
ガラスの靴を落としたシンデレラ。
王子様が相手をお探しになったとして、静香なら絶対に自分から名乗り出ることはないだろう。何故なら二人の姉が幸せになるチャンスを奪うことを考えられないから。
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