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数年後。
アメリカの大学を出て
色んな国を転々とした後
事情があって日本に戻ってきた。
しばらくおることになるから
大きい仕事をしてる小さいIT会社を見つけて
修行のつもりで入社した。
仕事で取引先を訪問した日
女神みたいな子がフラッと現れた。
名前は間宮実結。
リンちゃんでもユリアちゃんでもなかったけど
あの日と同じトキメキを覚えた。
初めて会った瞬間に
今度こそ逃したらあかんと思った。
追い掛けても逃げるんやけど
放っておくと寂しそうにする。
時々
猫みたいに腕の中で甘える。
控えめに言って可愛すぎるやろ?
今度こそ逃がさへん。
ようやく二人で会うのも当たり前みたいに
懐いてきたばかり。
その日は梅の花が満開やった。
マミヤちゃんが俺の瞳をじっと見つめてくる。
「西川さんってどこの大学出身ですか?」
「海外の大学やけど」
アメリカの大学。
「何それ自慢ですか?」
「聞いてきたんはマミヤちゃんやろ(笑)」
「だから英語話せるんですね」
面倒くさいから周りには内緒にしている。
「マミヤちゃんは?」
「えっ、西川さんの後に言うの嫌だ……(笑)」
「東大?」
「違います。私立女子大です」
マミヤちゃんはやっぱり
北斗七星の彼女ではないんやなと思った。
「そうなんや。良かった」
「何が良いんですか?」
「女子大って女ばっかりやから(笑)」
笑った俺の顔をじっと見つめてくる。
「西川さんって京都に親戚とかいませんか?」
「京都にはおらんなあ。昔はおったけど」
「昔っていつですか?!」
「高校までは従兄弟が住んでた……」
「名前!名前なんて言いますか?」
勢いにビックリした。
「何でそんな食い付くん?(笑)」
「いいじゃないですか。教えてください」
「にしかわなりひと。漢字は平成の成に……」
説明が終わるとさらに食い付く。
「顔、似てますか?」
「昔から似てるって言われるけど、成仁のが男前やな」
弟とは全然似てないねんって話は聞いてないな。
「成仁さんって国立大の出身ですか?」
告げられた学校名にもっとビックリした。
「何で知ってんの?知り合い??」
まさか……ね。
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