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棺桶の中に居る姿を見て、枯れたはずの泪がまた溢れ出してきた。
頬に触れてみても当たり前に体温はなく、もう笑い合うことは出来ないのだと改めて実感させられる。
昔の恋人に心を囚われたまま、凛太朗は死んだ。
瞳に咲かせた花は美しく、まるで想いの強さを表しているかのように鮮やかで、それが哀しくて悔しかった。
ーーー何が足りなかったのかな。
そう小さく呟いた刹那ぎゅうっと心臓が酷く痛み、葬儀の最中に倒れそのまま意識を失った。
そして病院のベッドの上で目が覚めると、医師は花咲病を発症していると言った。
凛太朗の居ない世界を生きるくらいなら、お揃いの病で死ねる方がずっと良い。
可笑しな話かもしれないけれど、診断結果を聞いて俺は密かにホッとしていた。
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