143人が本棚に入れています
本棚に追加
「にしても、馨っちの反応は予想外だったなあ。俺、もっと興味湧いてきちゃった」
奏先輩はぺろ、と舌で下唇を舐めてギラついた笑みを浮かべた。ちょ、本性出ちゃってますよ?
「僕も少し気になるなあ。……和彰、出番だよ」
「俺はまゆたんを愛でるので忙しいん『かまってくれないと、もう口聞いてやらないんだからねっ!』…まゆたああああああん」
スマホを両手で持ってすりすりと頬擦りをしている姿はなんとも気持ち悪い。
この場の空気が5度ぐらい下がった気がした。
「君がそう言うなら仕方ない。すごく心苦しいけど、君の部屋のグッズは山田さんに全て捨ててもらうよ」
「おい椿、用件はなんだっ!!」
ほんと、この人見た目はバリ真面目の優等生なのに。惜しすぎる。
隣に座っている奏先輩にこっそり話しかける。
「あの、山田さんってどなたなんですか」
「ん?山田さんはねえ、カズっちの執事さん!椿っちとカズっちはお坊っちゃんだからねえ」
「ああ、そうでした…」
そんでもって、我らが委員長、煌さんもれっきとしたお坊っちゃんである。
「ということで、明日は皆月くんのところへ行ってきてね。じゃないと生徒会室入れさせないから」
「ふんっ、課された仕事はしっかりこなすさ。まゆたんのために、な…!!」
「あははっ、カズっち最後の一言で台無し〜」
「じゃあ俺そろそろ仕事行きますね」
話が一通り終わったところで、俺は席を立った。
最初のコメントを投稿しよう!