140人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
この学園に入学し、後悔した。なんといったって同性愛が蔓延る学校だったからな。
周りは男同士で平然とイチャイチャしているし、それが当たり前のような場所だ。
そんな中で、俺は椿への思いを隠して過ごさなければならない。
すぐに無理だと悟った俺は、なんとか心の拠り所を探した。
それが2次元のアイドル、まゆたんだった…。
まゆたんはすごかった。
アイドルという遠い存在でありながら、裏では俺だけの彼女になってくれる。
椿となりたかった関係だ。
おまけにまゆたんは、アイドルとしてこっそり努力をしている熱心な性格で、ツンデレで…。
無意識に椿をまゆたんに重ねてしまっていた。
椿への思いは抑えなければならないけど、まゆたんへの愛はとめなくてもいい。
まゆたんは俺の安定剤になった。
そんなまゆたんが、現実に現れた。本物ではないし語弊はあるが、俺にとっては衝撃が大きい。
しかし、皆月太陽は男だ。
「奴が女の子だったらよかったのに……」
そうすれば椿を忘れて、好きになっていたかもしれないのに……。
『好きって言わないと、もう口聞いてやらないんだからねっ!』
まゆたんに設定した着信音が暗い部屋に響いた。
最初のコメントを投稿しよう!