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部屋に光が差し込み、目を開ける。どうやら俺は夕飯も食べずにあのまま寝てしまったようだ。
「制服っ」
シャツがしわくちゃになってしまっている。くそ、こんなことなら着替えておけばよかった……!
ベッドの上に投げ出されていた携帯には椿からの着信が何件か入っていた。が、時間はぎりぎり。あとで直接聞けばいいか、と放っておくことにする。
急いでシャワーを浴びて何も食べず、学校へ向かった。
***
「おはよぉー。和っちが遅いなんて珍しいじゃーん。昨日の影響?」
「おはよう。……ノーコメントだ」
「あははっ、そんな言い方したら認めてるようなもんじゃん!!和っち素直すぎだってー!」
なぜ俺は奏と同じ教室なんだ。朝からこのテンションには付き合いきれん。
鼻の付け根あたりを軽く揉んでいると、ケラケラと笑っていた奏が顔を寄せてきた。
「で、ほんとに大丈夫そ?聞こうか?」
「……いや、大丈夫だ。少し、動揺してしまったがな」
そっかあ、と安心したように笑う奏。心配をかけさせてしまったなと後悔が募る。
奏は、俺が椿のことを好きだということを知っている唯一の人間だ。
普段からふざけているようなやつだが、他人の変化に機敏で人情深い。
俺が参っていた時期にも何度も声をかけてきてそばに居てくれた。
友人の中では奏が一番親しい。
「心配かけて悪い。HRが始まるから早く席に戻れ」
「えー、まだ先生来ないしいいじゃーん」
「おい猫田ー?俺はもう教卓に立ってるぞー?」
「あれ、先生おはよー」
「先生に挨拶をする前に奏は早く席に着けぇ!」
「和っちのほうが怖ぁー!!もう、怒んないでよねえ」
ぷんすかしながら渋々自分の席に戻っていった。
まゆたんが現れたからといって、
俺の日常は変わっていない。
そのことに内心ほっとした。
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本っ当に申し訳ないです!
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