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黙々と漫画を読んでいる貴良を凝視するように見つめながら、ぽりぽりとポッキーを貪る。 イケメンは何をしても絵になるってよく言うけど、本当にその通りだと思う。 ただそこで漫画を読んでるだけなのに、まるでどこかの雑誌の1ページみたいだと思えるくらいには絵になっている。 小さい頃はそこら辺の女の子よりも可愛かったのに、いつの間にこんなに男らしくなったんだろう。 「……」 ずっと見てきたのに分からなかった。 いや、ずっと見てきたからこそ、分からなかったのかもしんない。 そんな風に物思いに(ふけ)っていると、ヴーヴーという低いバイブ音が微かに部屋に鳴り響いた。 その音に反応した貴良の目が、ちらりと此方に向けられる。 「…あたしのじゃないよ。貴良のスマホじゃない?」
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