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いきなり大声を上げたあたしに、貴良はうざったそうに眉を寄せてから視線を寄越した。 「うるせえんだけど。なに」 「いや、なにってこっちのセリフなんだけど!?!?なんなのよ、これ!?」 親指と人差し指で摘むように持った、小さな四角のそれをズイっと前に出せば、貴良はしらっとした顔で口を開いた。 「なんなのって、ゴムじゃん」 なんて事のないようにそう言い放って、再びスマホの画面に視線を落とす。 「っいや、それは分かってますけどね!?」 「別にそんな珍しいもんじゃねえだろ。なんでそんな騒いでんの」 「だって!なんで貴良がこんなモノ持ってんの!?童貞のくせに!!」 あ、一言多かったかもしれない。 そう思った時にはもう遅い。 ぎろりと睨むような眼差しを向けられて、身体が強張ったのも束の間。すぐにハァーッと大きな溜め息を吐き出した貴良は、依然としてうざったそうに口を開いた。
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