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仁木(にき) うらら、18歳。 卒業を目前にして高校生の自分が学んだことを頭の中に羅列してみる。 ひとつ、数学とは一生相容れない仲だということ。 もうあれは絶対に無理。 数字を見るだけでなんか身体が痒くなっちゃうし、なにしろ拒否反応がやばい。 テストは言わずもがないつも赤点ギリギリだし、あいつのせいで苦しめられた記憶は数え切れない。 ふたつ、夜中のポテチはかなり太るということ。 もうこれは絶対に駄目。 生理前の暴飲暴食期に無性に食べたくなって夜な夜な貪ってたらあっという間に3キロ増えたからね。恐ろしいったらない。 みっつ、ニキビは潰さない方がいいということ。 もうそれは絶対に鉄則。 痕が残っちゃうから潰すのはタブーだって、そんなこと分かってたのに、ついつい潰してしまった時のあの絶望感。 未だにおでこに残ってる痕を見てガクリと項垂れちゃうよね。自業自得だけど。 まあそんな感じで、あたしが高校生活で学んだ事なんてせいぜいこのくらい。 あ、それと、あとひとつ。 景山(かげやま) 貴良(たから)の周りにはいつもろくでもない噂が付き纏うようになったってこと。
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