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仁木うらら、20歳。 成人式を目前にして、成人した自分が学んだことを頭の中に羅列してみる。 まずひとつ。 自分は案外お酒に強い性分だということを知った。 「はい、かんぱ〜い」 やる気のなさそうな声と共に手にしていたそれぞれの酎ハイの缶をぶつければ、これまたやる気のなさそうな音が響いた。 うえ~い、なんて謎な声まで飛び交う中、缶を口につければキンと冷えた液体が流れ込んでくる。 ごくりとそれを飲み込んだ後、舌の上にほんの少しの苦さが残った。 「明日成人式とか実感なさすぎるね」 柿ピーが入った袋をバリバリと開けながら、ミクがそう言う。 「それな~。髪のセットと着付け、マジだるいんですけど」 指に挟んだ煙草に火をつけながら、チホがそう言う。 向かいに座るミクが「分かる」と笑いながら返事を打った後、紫煙を吹かしていたチホの目がちらりとあたしに移った。
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