イノセントを口実に、

２

にっこり、ピースサインまで向けられてしまった。

依然としてぽかんと口を開けたままのあたしに「灰、落ちるよ」とチホの声が掛かり、指に挟んだままだった煙草を慌てて灰皿に押し付けた。

まさか２人ともそんなに早く脱・処女してたなんて…。

まだその事実に驚きを隠せていないあたしを他所に、ミクとチホはすっかり自分たちの初体験の話しで盛り上がっている様子だった。

「この際だからさ、初エッチの感想とか言ってみる？」

「この際ってどの際よ。ミク、あんた絶対楽しんでるでしょ？」

「まぁまぁ、いいんじゃん？ズバリ！中田とのエッチを一言で表すと？」

「“え、これ入ってんの？”」

まさかすぎるチホの発言に、ミクが盛大にぶっはと噴き出す。こればっかりはあたしもつられて噴き出してしまった。

「ちょ、待って？初めてでその感想やばくない？中田が小さいのかチホが緩いのか、その２択になるじゃん！」

「ばっか！！あいつが小さいに決まってんじゃん！まじであそこだけ幼児サイズだから、あいつ」

「くっそウケるんだけど。笑い死ぬ、無理」