154人が本棚に入れています
本棚に追加
/90ページ
しまった、とか、マズい、とか。
ハッと我に返った瞬間にそんな感情が湧き上がってきたけれど…
「いや、明日会えるじゃん」
そんな心配を他所に、2人はきょとんとした顔で「何言ってんの?」と あたしを見遣る。
ミクとチホの頰はほんのりと赤らんでいてよく見ると目もとろんと下がっている。
どうやら酔いが回っているらしい。
おかげであたしの“会いたい”発言も深く追求される事はなさそうでホッと胸を撫で下ろす。
あはは、と乾いた笑みを浮かべて「そうだね」と相槌を打ってから、もう一度画面に視線を戻す。
画面の中の貴良は、眩むほどの笑顔で笑っていた。
…ついに明日、2年ぶりに貴良に会えるんだ。
最初のコメントを投稿しよう!