154人が本棚に入れています
本棚に追加
/90ページ
「二次会までには来るかな?」
「さあ、どうだろーなあ」
「えー俺 貴良に会いてえのにー」
残念そうなその声に感化されるみたいに肩がしゅんと落ちて、小さな溜め息が口から零れた。
結局、同窓会が終わる頃になっても貴良が姿を現わすことはなかった。
貴良が如何に多忙かということは風の噂で聞いていたし、こうなるんじゃないかって少し予想していたけど、それでもショックを隠し切れない。
「ど?飲んでる?」
さっきの高級そうなホテルとは打って変わり、二次会は近くの大衆居酒屋で行われた。
奥の座敷の部屋を貸し切っている状態で、もう出来上がってしまっている子もチラホラと見受けられる中、どかりと隣の空いてるスペースに腰を下ろしたのは服部だった。
最初のコメントを投稿しよう!