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「…貴良?」
それでもすぐには信じられなくて、まるで馬鹿のひとつ覚えのようにその名前を繰り返し口にしてしまう。
貴良はますます眉を寄せて、怒っているのか困っているのかよく分からない表情を浮かべながらも、
「…………うん」
かなりの間を置いてから小さな声で肯定を示すから、もうそれだけで心臓がぎゅうっと締め付けられた。
「いつ着いたの?結構 前からいた?」
「いや、ついさっきだけど」
目を伏せて、手元のグラスを口に近づけるその横顔をぽうっと見つめる。
…やばい、めちゃくちゃかっこいい。
貴良がかっこいい事なんて今に始まったことではないけれど、2年ぶりに目の当たりにするその美貌の破壊力は凄まじかった。
かっこいいなんて言葉じゃ表せれないくらい、かっこいい。
SNSで拡散されてたあの写真より、実物の方がずっとずっとかっこいい。
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