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「ねえ、」 きゅっと服を掴んで身体が密着するほどに距離を詰めれば、貴良のその整った形の眉がぴくりと動いた。 「2人でどっか行こうよ」 「……」 まるでヒソヒソ話しをするように小さな声を紡ぎながら、その飴色の瞳をじっと見つめる。 「あたしと、もう一回しない?」 自信はそれなりにあった。 胸のサイズは大きい方だし、大学に入ってからも身体の関係を迫られる事は何度もあったし、男ウケする身体つきなんだろうなっていう自覚はあった。 何しろ1回そういう事やっちゃってるから、少なくとも貴良もあたしの事、そういう風に、性的な目で見れるって事だし。 欲求満たすために手っ取り早く抱いてくれるんじゃないかって、そう思ってた。 ──…けど。 「……」 あたしの顔をじっと見つめたまま、貴良の眉間に皺が刻まれるのを見た。 あ、やばいかも。 そう思った時には服を握っていた手を少し乱雑に掴まれて、そこから引き剥がされていた。
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