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「ねえ〜〜、どこ行くの〜?やっぱりラブホお!?」 「おま、うるっせえよ。声デカすぎ」 「なぁに慌ててんの!おもしろ〜い!」 ひゃはは、と声を上げて笑っていれば「まじうるせえ」と頭を小突かれた。 いやそれ地味に痛いんだけど。 真っ暗な夜道を、チャラチャラしたこの男に半ば引き摺られるようにして歩く自分は、どこをどう見ても滑稽だろう。 でもまあ、これが本来あるべき姿のようにも思えた。 きっと貴良と出会ってなかったらあたし、とっくの昔にこういう女になってたと思う。 「…なに?まさか見惚れてる?」 すぐそこにある服部の顔を凝視するようにじぃっと見つめていれば、あたしの視線に気づいた服部はそう言いながら得意げに口角を持ち上げた。 「いや見惚れるのはありえない」 「おいこらガチトーンで返すなよ」 「でも意外と整った顔してるじゃんとは思ったよ」 「え、今更?」 「だって〜、貴良に比べるとどんな男も霞んで見えちゃうんだもん」 ケラケラ笑いながらそう言うと「“だもん”じゃねーわ」と眉を寄せられた。
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