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「何それ、ありえなさすぎて笑っちゃうんだけど」 「分かんねえよ?ほら、よく言うだろ、“現実は小説より奇なり”って」 「ふふ。じゃあ本当にそうなったらどーするの?」 「いやぁ〜さすがに景山が割って入ってきたら身ぃ引くわ。どっからどう見ても王子様じゃん、勝ち目ねーよ」 「たしかに服部と貴良だったら貴良のが圧勝だね」 「うるせーわ」 こつん、と頭を小突かれて「いたっ」と声を零す。 何するのよ、と睨みつければ、いつになく真剣な眼差しをした服部がいて、少しだけ心臓がドキリとした。 「俺が今どんだけドキドキしてるか、どーせお前には分かんねーんだろうな」 「…ドキドキしてるの?」 「そりゃするだろ」 大きな手が頰に触れて、ぴくっと肩が揺れた。
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