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その声自体は聞き慣れたものだったけど、こんなにも荒々しい響きは初めて聞いた。
だから振り向いてその姿を目にしても、すぐには信じられなくて。
だって、ねえ、
「…たから…？」
なんで貴良が、ここにいるの。
肩を大きく上下させながら此方に距離を詰めた貴良は、乱れた呼吸のままゆっくりと口を開いた。
「付き合ってんの？」
「…へ？」
「お前ら、付き合ってんの？」
あたしと服部を交互に見てそう聞いてくるけど、未だに状況を上手く掴めていないあたしはぽかんと口を開けたまま立ち尽くす事しかできなくて。
そんな風に沈黙の時間を更新していれば、痺れを切らしたように貴良が服部に向けて口を開いた。
「付き合ってないなら、引いてくんねーかな」
「……」
「俺が、家まで送るから」
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