おまけ

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◇ 自分がようやく我に返ったのは、引き抜いた自身に付着している赤を見てからだった。 サァーッと血の気が引いて、熱かった身体が瞬く間に冷え切っていくのを感じた。 だって、これ、 どう見ても血…だよな? 昔から血が大の苦手だった。スプラッタ系のアニメなんて見れたもんじゃないし、せいぜい漫画のモノクロで見るのが限界。 サッカーの試合や練習でどこかを擦り剥いて流血した時ですら、くらっと来てしまうくらいには苦手だ。 そういえば繋がる間際で一度止められたような気がするし、最中もずっと泣いていたような気もする。 ついさっきの事なのに記憶があやふやだった。それくらい理性が飛んでしまっていた。 どうしてこんなにも自制が効かないほどに欲情してしまったのかとか、そんな事を考えれる余裕はこの時には持ち合わせていなかった。 ただ、その白くて華奢な背中を見つめる事しかできなくて。
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