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貴良からいつ連絡が来てもいいように実家についてからスマホばかりを見ていて、外なんて一度も見ていなかった。
外がどうしたの?と首を傾げながらも窓に近寄り、カーテンをシャッと開ける。
その先に広がっていた光景に「何これ!?」と思わず大きく声を張り上げた。
「待って、雪やばいじゃん!?」
そう。外は雪で大荒れていて、白く靄がかかったような世界が広がっていたのだ。
「なんで!?あたしが自分の家を出た時は降ってなかったのに!」
「ちょうど1時間前くらいから降り出したのよ。何年かに一度の大寒波だって、今日は冷えるわよ~」
いやいや、冷えるわよ~じゃないって。
「え、貴良帰って来れるよね!?通行止めとかならないよね!?」
「さぁ?どうだろうね」
「何その適当な返しは!あたし真剣に聞いてるのに!」
「そんなこと母さんに聞かれても知らないわよ!」
お母さんの腕をがっしりと掴んでいたけれど、ものすごい力で引き剥がされてしまった。
馬鹿力は健在らしい。
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