おまけ

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それからというもの、お風呂だけはなんとか済ませたけれど何もする気になれなくて、ずっと膝を抱えていた。 ローテーブルの上にスマホを置いて、その前で体育座りをしている。 傍からみると如何にも病んでる女って感じだろう。まあ実際テンションはダダ下がりだけど。 はぁ、って。 何回目か分からない溜め息を吐き出す。もうとっくに貴良が帰ってくるはずだった時間は過ぎてしまった。 更に言うともうすぐ日付が変わりそうだというのに、まだなんの連絡もない。 もう最悪の場合、会えなくてもいいから、だからせめて安否だけでも知りたい。 「…っ」 じわりと滲んできた涙を少し乱雑に服の裾でぐいっと拭った、その時だった。 ──ピンポーン 来客者を告げる音が部屋に鳴り響き、まるで何かに弾かれたように顔を上げた。 バッと立ち上がったあたしはそのまま玄関まで駆けていく。 もうチャイムを鳴らしたのが誰かなんて確認する事も忘れて、バンッと勢いよくドアを開けた。
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