おまけ

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酸素を貪るようなキスに、次第に息が続かなくなる。 「っちょ、ちょっと待って…っ」 ぐいぐいとその厚い胸を押して、ようやく唇は解放されたけれど、全身の力が抜けたように上手く立てなくなった。 「こ、腰…抜けちゃったかも…」 「……」 へなへなとその場にしゃがみ込もうとするあたしを追いかけるように腰を曲げた貴良は、そのままふわりとあたしの身体を抱き上げた。 短い声を上げて驚くあたしなんて他所に「上がっていい?」なんて上目がちに見上げてくるから、胸の奥がきゅんとなった。 小さな声で「どうぞ」と答えると貴良はあたしを抱き上げたまま部屋の奥に進んでいく。 「貴良、スマホの充電切れてたの?」 「うん。昨日充電し忘れてて、まじ最悪」 「そっか…よくあたしの家分かったね?」 「なんとなく住所覚えてたからな。でも本当になんとなくだったから、タクシーの運転手とめちゃくちゃ探した」 「そうなの?」 「うん。しかもさっきとか部屋間違えて、知らないオッサン出てきたし」 「え!?」 「もう1回間違えてたら、もう うららの実家まで行って母さんに聞こうと思ってた」
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