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 1年前のあの日、たまたま襲ったのが花ちゃんと芽里衣で、本当によかった。あれこそ運命の出会い。あのとき二人が明るいところへ引きずり出してくれなければ、私は今でも暗闇の中で、コンプレックスを抱えてイジイジと生きていたかもしれない。 「自分がキレイかどうかは、自分で決めるんやで!」 「運命を嘆いていても、何も始まらないでしょう?」  そう言ってくれた二人は、いまや私の親友だ。 「出て来なさい! さあ!」  語気を強めて迫ると、ベッドの下から何かが這い出して来た。  包丁を持った男? いや、噂では斧だったかな。どちらにしても、自力で取り押さえてやる。私だって、一時は全国で恐れられた女なんだから。  パーン!  パーン!  突然の破裂音とともに、目の前にカラフルな紙片が飛んだ。 「ハッピーバースデー! サナヲ!」 「お誕生日おめでとう! サナヲちゃん!」  聞き慣れた声。マットレスの下から顔を覗かせたのは、先に帰宅したはずの二人だった。 「花ちゃん! 芽里衣?!」  二人は(から)になったクラッカーを片手にベッドの下から這い出して来る。 「なんで肝心なときに声が揃わへんかなぁ」 「だってぇ、花ちゃんが英語で言うとは思わないでしょう?」  火薬の匂いのするワンルームで、親友たちが苦笑しながら乱れた着衣を整える。緊張が解けた私は、その場にへたりこんだ。 「びっくりしたぁ……」
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