四月一日 うそつき

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四月一日 うそつき

拝啓 うつくしい君の心の琴線に僕の心が触れた時、 それは束ねられ溶けあい熱く焔へと変じる。 月はその焔を周囲に魅せつけるかのように キミの頬も体も際立たせ僕の瞳に笑みをたたえる。                      敬具 四月一日、 僕はその手紙に封をして机の中へとしまった。 手紙を出す相手の住所はもう分からないからだ。 警察も分からないだろう。 了
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