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エデンの悲劇
「………嘘付きは泥棒の始まり。」
それは、聖書の中で語られている、神の啓示から生まれた諺なのかも知れません。
………いやぁ、しかしねぇ！
神様もあんまりですわよ！それこそ、聖書の中で語られてる悪魔そのものって感じ？
エデンの園と呼ばれている幻想の世界で、アダムとイヴは、蛇に姿を変えた悪魔の囁きに騙されて、知恵の木の身を齧り付いたその挙げ句に、エデンの園を追放された………などと言う絵空事ですら、何者かに唆されたウソみたいなモノですもの。
それに、蛇そのモノですら、悪魔の姿を借りた神様が付いた嘘の姿そのモノだったのですものねぇ。それこそが神のイタズラ？
そんな神様のイタズラを指を咥えて見て見ぬふりをしている天上人のワタクシの姿も嘘の仕草でありまして。
そんなワタクシが唱えます。
「………嘘付きは神様の始まり？」
しかし、それはワタクシの付いた嘘の小噺でありまして、嘘偽り無く申し上げますと、
「………嘘付きは人間の始まり。」
そこで、ワタクシはそこのアナタに尋ねますのですけれど………。
「アナタって、お歌がお上手ですわねぇ？」
すると、アナタはこう呟きます。
「そんな事ないですわよ！」
しかし、それもアナタが付いた嘘の様なものですわよねぇ？
………それは、嘘と言うよりも方便かも知れませんけどねぇ。
それも又、ワタクシの付いた嘘でした。
………………………………………。。。
《 第１話 完 》
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