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「知ってるよ! セノくん、いっつも私のこと見てたでしょ。つまりはうちら、両思いじゃん! 付き合おっちゃおうぜ」
呆気に取られた。
俺が、カガヤのことを?
なんだって?
意味がわからない。そんなこと、思ったこともない。
なんでそうなるんだ?
「何言ってんだ。お前……酔ってんだろ」
カガヤはケタケタと笑っている。どう反応したらいいのかわからない。
焦りながら、口を開いた。
「あのな、お前、本当に……」
「じゃ! 告白の返事はまた明日で!」
そう言うと、カガヤはひらりと角を曲がり、今度こそ帰っていった。
なんなんだ。
もう、全然わからない。カガヤが何を考えているのか。
しばらくの間、俺は呆然とその場に立ち尽くしていた。
カガヤが会社に来なくなったのは、その翌日からだった。
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