花火 ~じいちゃんの願いを~

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 縁側で。三年生のときだ。  四月にばあちゃんが死んだ年で、じいちゃんも俺も元気がなかった。だから、よくふたりでいっしょにいた。 「イサ」 「ん?」 「おれは、あの花火、ばあちゃんも見てると思うぞ」 「なんで?」 「空に上がってるだろ」 「うん」 「天国からも見える」 「へええ」 「バーッて、でっかいからメガネがなくてもよぉく見える」 「持ってかなかったんだ、ばあちゃん」 「持ってけねえんだ」 「ふうん」  わかるような、わからないようなだ。じいちゃんは時々まじめな顔をして、よくわからないことを言った。それでも俺はじいちゃんといると安心した。
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