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スマホを壊した日の朝。
友達から来ていたはずの連絡の返事をしていないことが気がかりでしょうがなかった。
毎日やっているゲームのログインボーナスを貰えないことが気がかりでしょうがなかった。
起き上がったときに、ベッドに置きっぱなしだったスマホを床に落として、画面を割ってしまったのだった。自分自身の不注意を呪った。電源ボタンを押しても画面は一向に付かなかった。
土曜日だというのに、携帯ショップは運悪く休業日だった。
世界からはじき出されてしまったような気がした。
「やっちゃったねえ」
母は、あっけらかんと笑った。その声が俺をまたイライラさせた。たまには携帯から目を離すのもいいんじゃない、と言い残し母は出かけていった。
母は、土曜日もフルタイムで仕事をしている。
俺は、荒々しく、自分のベッドに寝転んで、目を閉じた。何をする気にもなれなかった。
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