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「今何時だっけ?」
窓の色が少し白いから午前中なのは分かっているけれど、正確な時刻が知りたくなってゲームを一時中断させてタブレットのホーム画面に戻す。
画面いっぱいに並べられたアイコンの中からアナログ時計のシンプルなアイコンだけに目線をむけると、ちょうど10時を指していた。
「あれ?もう帰ってきていいはずなんだけど。」
いつもならもう部屋に入って挨拶してくれる同居人の足音が聞こえないか……僕は扉の前にしゃがんで耳が接触するくらい近付いてみた。
「あ!」
こちらに近付くブーツの音が聞こえて僕は安堵した。
「なんだぁ、今日はちょっと遅くなっただけじゃん!」
カツカツとした靴音に僕は胸を躍らせ、扉からサッと離れてまた寝転んでゲーム画面をまた表示させる。
今から扉を開けて入ってくる同居人に「待ちわびていた」なんて悟られない為だ。
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