9.エピローグ・Cant' be ignored

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 翌日、夕飯が出来上がる頃を見計らって缶ビール片手にやって来た菫さんに、昼間加藤さんに言われた事を相談してみた。 「まあでも葵にその気がなきゃ問題ないんじゃない? お、今日は煮豚か」 「そうなんですが……何だか焦ってしまって」 「何を焦ることがあるのよ。流石にもう色々済ませたんでしょ? それに莉緒ちゃんは葵の奥さんじゃん。最強ポジじゃん」 「う、まあ……はい。それですよ。私は自分の立ち位置に胡座をかいているのでは……」  菫さんは缶ビールのプルタブを慣れた手つきで上げ「莉緒ちゃんさ、そういう気持ち、葵に言ったことある?」と聞いてきた。 「……ないですね」 「嫉妬とか、独占欲とか、普段から丸出しにしてるのはウザいけどさ、なんにも言われないのも寂しいと思うんだよね」 「そういうものでしょうか……」 「そういうもんなのよ。面倒くさいけど」  そう言って菫さんは缶ビールを一気に呷った。 「ま、莉緒ちゃんが嫉妬してるって言ったら葵は確実に喜ぶから。煮豚、柊ちゃんに少し持っていってもいい?」 「どうぞ。既に別に用意してありますので」 「やった! 毎度ご馳走様。じゃ、上手くやるのよ」
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