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「坂本さぁいきなりどうしたとですか」
「どうしたもこうしたもあろうか!長州はのぉ!長州はのぉ!死にものぐるいで藻掻いちょるがよ!そいなのに長州は!いま長州から同盟を願い出れば薩摩を危機に追いやることになりゃせんかと!薩摩の立場を考えちゅうがぞ!そいなのにアンタ等はいつものようにノラリクラリと!薩摩藩がナンボじゃ!そがいなもんドブに捨てちゃれ!これからは薩摩じゃ長州じゃと下らん面子を振り回しちょる時代じゃないぞね!」
龍馬の激しい息を顔全体に受け、西郷は我に返った顔をして天を仰いだ。
「坂本さぁ・・・オイは、なんて言うことをしておったんだ・・・」
「西郷さん、まだ間に合うがよ、ちゃんと心ゆくまで長州と話し合えばいいがよ」
この翌々日、長州と薩摩の正式な会談が行われ、倒幕への秘策「薩長同盟」が締結された。
この日を境に、長い江戸の世が終わりを告げる坂を転げ始めたと言ってもいいかもしれない。
完
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