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カウンターに座っている常連の老人がチャーハンを口にしながら、ハナの父親・泰造に話しかけた。老人は白鳥中華料理店の隣にある古本屋の主人である。
「去年までは高校生だったから、土日だけ手伝ってくれてたけど、卒業してからは平日も手伝ってくれるから助かります。あいつ体格もいいし、体力もあるから」
二人はハナに視線を向けた。
「それにしてもハナちゃん、まだ成長してるのかい?中学入学の時、ワシと同じ身長だったけど、今は…」
「今年になって、とうとう、ヒャクハチジュウ突破です。本人はもう成長は止まったって言ってるけど、絶対まだ伸びてますよ。この前も出前用の自転車のサドルをまた高くしてました。毎回、娘が乗った後、自転車のサドルを下げるのは、父親として悲しい気持ちになります」
「ありゃあ~。180かあ、そりゃあ、でかくなったな。昔に比べて最近の若者はみんなでかくなったと思うが、女の子であれはでかすぎだろ」
老人は店内のお客とハナを見比べた。
「お店的には戦力になっているので非常に助かってます。でも、やっぱり娘としてみた場合、きっと身長の事で悩みもあるんじゃないかと少し心配で」
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