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「おい、ハナ。父さんは役人と言ったけど、警察とは言ってないだろ。お前、また、なんかやましい事をしたのか?」
父のその言葉に、ハナは黒目を小刻みに揺らし、そして、お店の厨房の中にあるおかもちに視線を向けた。
両親がハナの視線の先を追うと、凹んだおかもちがあった。
(ああ、あれか。また、あいつ暴れたな。おかもちは武器じゃないし、護身用グッズでもないのに)
泰造はなんとなく予想が出来たので、おかもちが凹んでいる点については追及しないことにした。
「まあ、よくわからんが安心しろ。今日来るのは警察じゃない。外務省の役人だ」
「ガイムショウ?」
ハナが聞きなれない単語を外国人のように復唱する。
「そう、外務省だ。まあ、お前にとって信じられない話をするかもしれないが、大事な話だからしっかり聞くんだぞ」
「えっ?どういうこと。意味わからないんだけど。ねえ、何の話をしに来るの?」
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