お母さんのポークチャップ

7/12
6293人が本棚に入れています
本棚に追加
/219ページ
季節はもう、夏。絡ませ合う指は汗でしっとりと濡れて、余計に恥ずかしいと思ってしまうけど。 「可愛い、来未」 深いキスの合間に私の耳元で囁かれる声はドロドロに甘くて、途端に他のことが頭から飛んでしまうんだ。 「あの、恥ずかし」 「俺だって一緒」 「一緒?」 「あぁ」 「へへ」 「…」 「ん…っ」 こんな深いキス、頭がおかしくなっちゃう。 Tシャツの中にスルリと手が入ってくる。やわやわと優しい手つきで胸を揉まれて、思わず吐息が漏れた。 「柔らかい」 「私、小さいから…っ」 「そんなこと関係ない」 「ぁ…っ」 いつのまにか、服を脱がされてて。私だけ裸なのが恥ずかしくて、頬っぺたを膨らませながら大澤係長のシャツの裾をキュッと引っ張った。 そんな私のおでこにキスをして、係長は乱暴な仕草で服を脱ぎ捨てる。 その仕草がセクシーで、それに引き締まった体つきにもドキドキして思わず視線を逸らした。 「来未が脱げって言ったんだろ?」 「だ、だって」 「ホントに、いちいち可愛いな」 力強い腕で、私のことを抱き締める。首元に吸いつきながら、徐々に唇を下へと下げていく。 「ん…っ、あ…っ」 敏感な場所で止められたそれに、声が漏れた。それが合図みたいに、執拗に責められる。 手と唇、両方で弄られて体が震えた。 まだ胸だけなのに、もう無理だよぉ…っ 「ごめん。俺、ちょっと意地悪?」 「恥ずかしくて…っ」 「でも。全部見たいし、全部欲しい」 「新太、さ」 「来未にもあげる。俺の全部」 「っ」 そうだ。大澤係長はいつだって、私の全部を受け入れてくれる。 恥ずかしいけど。でも。 もっと、近づきたい。 強張っていた肩の力が、自然と抜けていくのを感じた。
/219ページ

最初のコメントを投稿しよう!