唐揚げのお弁当

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それでも、二年間必死に耐えた。私のことを認めてくれる人だっていたし、仕事のスピードを褒められると嬉しくて。 だけどそれが気に入らなかったのか、ますます嫌味や嫌がらせをされるようになった。 こう言われると、どうしても反論できない。 嫌がらせも、特定まではできない小さなものばかり。 上の人に訴えようかと勇気を出したこともあったけど、多分部長は気づいてた。私が言いだそうとする、ずっと前から。 ーー大ごとにはするな そんな空気を読みとって、私は喉まで出かかった声を静かに飲み込んだ。 中心にたって私に嫌がらせをしている三ノ宮さんは、私より年上で会社に長くいるし、仕事だってちゃんとできる。 比べたら、どっちが残った方が会社のためになるのかなんてすぐに分かる。 お昼休み、誰もいない廊下の隅っこのベンチ。いつものその場所で、私は自分の作ったお弁当を広げる。 唯一楽しみだったこの時間。 おにぎりを一口食べた瞬間、ポロポロと涙が溢れて止まらなくなって。 その瞬間、思った。 あぁ、私もうこれ以上頑張れないやって。 一回そう思ったら、もう止められなかった。 その勢いで次の日すぐに部長に「辞めます」って進言したら、一言だって引き止められはしなかった。 私ってやっぱり、この会社に必要のない存在だったんだなぁ。 そして本日、私山田来未は正式に会社を退職したのです。 急だったから周りに迷惑をかけたことだけが、心残りだけど。 もう、疲れちゃった。 ごめんなさい。
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