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続いて入ってきたのは東欧系の、浅黒い肌にドレッドヘアの陽気な20代半ばから後半の若い男の人だ。渋谷のストリート系ファッションの店員にいそうだ、と思った。
「Would I ask your name?」
(名前を聞いても?)
「Ream Willson. Showbiz Consultant.」
(リアム・ウィルソン。芸能コンサルタントだ)
バウアーさんの問いかけに、男の人が気だるそうに答えた。
「I’m goi’ng ‘o go’ o Ga’wick Airwor’ for business ‘rip.」
(出張でガトウィック空港に行く途中だったんだよ)
「ガトウィック空港?」
先輩が日本語で口を挟んだ。
「Didn’ you Gawick?Are you Londoner?」
(知らねえのか?あんた地元の人間じゃねえだろ)
小馬鹿にしたように尋ねたウィルソンさんに、先輩は表情をかえなかった。
「By ‘he way, would I ‘ave a cup of wa’er?」
(ところで、水を一杯貰えないか?喉が渇いちまって)
ペットボトルの水を飲みながら、ウィルソンさんはその場を後にした。
「なんなのあいつ。話し方もめちゃくちゃだし、初対面のくせに馴れ馴れしいし最悪じゃない!!」
「芸能関係の仕事をしてるって言ってましたね」
「同じ国じゃなくてせいせいしたわ。少なくとも一緒に仕事はしたくないタイプね」
憤慨するCHIKAさんをよそに、私は一人考え込む先輩の姿が気になった。
「残るは一人ですね」
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